傷跡

「もう治ってますね」
 ぼそりと呟いてグランは、ジークフリートの頬を撫でる。グランの剣によって刻まれた傷は、既に桜色の痕を残して治癒していた。
「――この傷は消えないのに」
 頬をなぞった指が、ジークフリートの上半身に残る古傷に触れた。
「……それは、昔の」
「分かってます、分かってますよ」
 掠れた低音に、グランは微笑む。
「ただ、僕がつける傷が残ればいいのにって」

――例え、それが貴方の命を奪わなければ不可能だとしても。

お題「これは行きすぎた独占欲だと自覚していながらも止められないグラン」
配布元:闇鍋CPお題 https://odaibako.net/gacha/555?share=tw

Twitterのお題で書いた話でした。
ファフニールの血を飲む前までの傷跡は残っていて欲しい派です。
ジークさんに残る消えない傷跡に嫉妬してしまうグランくんのお話でした。(2021-03-11 UP)

きみの寝顔が睡眠薬

 グランサイファーに乗る者たちが眠りにつく頃。ふと目を覚ましたジークフリートは、横ですやすやと寝息をたてるグランの顔を見詰めていた。 情事の時とは違い、年相応の幼さが残る顔を緩ませている彼の柔らかな髪をそっと撫でる。幼い頃からぐっすりと眠ることを諦めていたジークフリートだったが、 この寝顔を眺めていると自然と瞼が降りてくるのだった。今夜は、悪夢を見ないで済みそうだ。 そんな予感にジークフリートは、グランの額に軽いキスを落として眠りについた。

ジークさんは不眠症だったらいい。
というか、不眠症っぽい。(2021-11-23 UP)